もう長年洋服を売っているAというお店。ずっと愛されてきて、昔は常ににぎわっていたのに、最近では売り上げも厳しい…。そんな時、経営者であるお父さんが体を壊したので、品ぞろえはそのままに、店長が息子さんへと入れ替わりました。
それまではもうそろそろ閉めようか、と悩んでいたほどのお店が、店長が変わった途端に売り上げが倍増し、昔のように人でにぎわうようになった、というのです。これをV字回復と言います。いったん底に落ちてしまった売り上げがぐいっとV字を描くようにして復活することですね。
接客が変わればリピート率も
接客が変わると、リピート率も変わります。感じが良い人が増えれば人は何度も来たくなるし、不愛想な人であれば、もう二度と来るもんか、と思うものです。ものやサービスを販売、提供する業種においては、経営がどんどん伸びていくためには、またはV字回復を遂げるためには接客がかなりキーポイントとなるのです。
リピート率を高めるための接客のコツ、それは、必ず次回も来店してもらえる会話をする、ということです。「次にいらした時は〇〇についてお伝えしますね」、とか「今度は〇〇について教えてくださいね」というように、次を楽しみにしていてください、または自分が楽しみにしています、というふうに「また行かなくちゃ」と思ってもらうことが大切なのです。
これはキャバ嬢や高級クラブのホステスさんなんでも使う技です。次に行った時にはこんな話が聞ける、とか、こんな話をしてあげよう、というふうに、次の来店を楽しみにしてもらうようにできると確実にリピート率は上がります。
話を聞き、応える努力をする
そしてもう1つは、根気強く相手が望むものを聞き出し、できる限りそれを提供するための努力をするというものです。基本的に人はきちんと自分の話を聞いてくれる人を好みます。話半分で、自分がこれ、と思うものばかりをぐいぐい押し付けたり、別の話題に無理やり変えてしまうなどもってのほかです。
リピート率を下げる例、上げる例
でも、これをやる人案外多いんです。自分が経験した中で言えば、とある美容室の新人美容師さん。切ってほしい長さも伝えていて、髪の手入れ方法について聞いているのにやたらめったらショートを勧めてくる、そしてハードなスタイリング剤ばかりを勧めて来る、っていう。もちろん、二度と行きませんでした。
逆に、エアコンを買おうとして行った電気屋さんで、一生懸命話を聞いて、「これと同じような機能で別のメーカーの分も価格、比較しますね!」と、とにかくこちらのためになるように心を砕いてくれている様子が明らかに見える店員さんに当たり、この人なら、と思って複数台まとめ購入してしまったこともあります。そしてその後も、その店員さんがいるからその店に通うようになっています。
新規客も増えます
このように根気強く話を聞く、というのは本当に大切です。そして、そんな接客をするお店であれば、人にも安心して紹介できるのです。そうするとリピート率が上がるのはもちろん、紹介による新規のお客さんも確実に増えていきます。「今度は〇〇さんを紹介してあげよう」というのも、立派な「また行かなくちゃ」という動機になりますよね。
もちろん、そのお店によって改善すべき点、客層によってプラスした方がいいポイントなどもありますが、この2点を常に心がけていくと、離れていたお客様は戻ってきます。だからこそ最初にお伝えしたお店も売り上げが上がったのです。そこからまた伸ばしていくには他にもいろんな方法が必要になるとはいえ、基礎はとにかくこの2つです。
最近客離れが気になる、と思っている経営者の方は、まず接客を見直してみてください。自分はもちろん、従業員1人1人にしっかり徹底していくようにすれば、お店の雰囲気までも変わってきます。